REPORT レポート

「かめおか霧の芸術祭 城跡芸術展2023」歴史ある旧丹波亀山城で芸術と雄大な自然を堪能☆彡

京都府亀岡市のJR亀岡駅の南側に、戦国武将の明智光秀が築いた丹波亀山城跡(宗教法人大本・本部)があります。その城跡で10月14日から25日まで「城跡芸術展2023」が開かれ、初日に行ってきました。

亀岡にゆかりのある34組のアーティストが「みろく会館・広場」「春陽閣」「花明山(かめやま)植物園」の3会場で作品を展示。広場では、亀岡のモノ・ヒト・食の循環をコンセプトにした「ボンボンマルシェ」も開催されました。自然素材を使った雑貨やアクセサリーなどのブースや、亀岡産の野菜などを使った食を楽しめるキッチンカーなどが並びました。物々交換市なども開かれ、なかなかのにぎわいでした。

写真左=ボンボンマルシェ 写真右=フードスペース

まず花明山植物園エリアに向かいました。木々の間を進むと、八木良太さんの「小鳥たちのために」に出会います。スピーカーの外枠などが巣箱のように木に取り付けられ、園内の鳥の声が調和して不思議な感覚です。

小鳥たちのために

奥では、白い煙があふれる水槽の水を来場者がひしゃくですくっていました。香港出身のウォン・チャン・ホワさんとフォック・チンさんの体験型アート「霧の種蒔(ま)き祭りー共に霧をまくプロジェクト」です。水槽には亀岡各地で収集した霧を水にしてためてあり、「霧」をまく趣向がユニークでした。

霧の種蒔き-共に霧をまくプロジェクト

次に春陽閣エリアを訪ねました。入り口近くで、赤茶色をした凹凸のオブジェが出迎えます。石塚源太さんの「感触の表裏#30」。球体の発泡スチロールを詰め込んだ布に麻布を漆で貼り重ね、さらに漆で仕上げたオブジェです。周囲の景色が映り込み、「仏像の頭?」など想像が膨らみました。

感触の表裏#30

階段の踊り場にあった奥村博美さんの「火焔(かえん)壁」は、鉄の窯変釉(ようへんゆう)という釉薬をかけて焼かれた陶板(縦40センチ、横80センチ)を16枚並べた作品です。差し込む光による表情の変化が見ものでした。

火焰壁

みろく会館・広場エリアでは、高さ8メートルの柱の上にある翼が目を引きました。西野康造さんの「風になるとき2017」は、チタン製の丸棒で作った幅6メートルの翼が風で羽ばたいたり、回ったりします。

風になるとき2017

会館内の「キリノマチ2023」は、初のプロジェクトとしての出展です。土地に見立てた板に、来場者が木片を接着剤でくっつけて建物や公園のようにします。作品が並んだ様子は、街になっていました。

キリノマチ2023

城跡芸術展は昨年に続き2回目。ボンボンマルシェと共に、かめおか霧の芸術祭実行委員会と亀岡市の主催です。今回は文化庁移転記念事業でもあります。

奥岡莞司・同芸術祭プログラムディレクターは「美術館ではない、多様な空間で作品を楽しんでください」と話していました。皆さんも木々や歴史に包まれた空間で、アートに浸ってみてはどうでしょうか。

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