
きょうと障害者文化芸術推進機構では、「南山城学園の粘土室」と題し、社会福祉法人南山城学園が運営する障害者支援施設内にあるアトリエ、通称「粘土室」に通う9名の表現を紹介します。
緑豊かなランドスケープが広がる敷地の中には、年代や障害に合わせた複数の施設があり、様々な方がそこで生活を営んでいます。その方々が創作の時間として訪れるのが粘土室であり、生活と制作が穏やかにつながる場所として多くの方に利用されています。
陶芸を中心にさまざまな制作活動が行われる粘土室では、利用する方の意思を尊重し、それぞれが思い思いに粘土や画材に触れ、そこでの時間を過ごしています。さっと粘土をちぎって造形する人もいれば、少しずつ削り落とす人、スケッチブックや板に絵を描く人など、粘土室を訪れる頻度や制作にかかる時間も様々です。そうして作られたものを見ると、それらは創作物でありながらも、同時に営みの一部であることが感じられることでしょう。本展覧会では、出展者それぞれの表現を始めとして、南山城学園の粘土室に流れる豊かな時間も併せてご高覧いただけましたら幸いです。