
徳川家康の波乱に満ちた生涯
徳川家康は戦国時代の最後の覇者として生き残り、およそ三百年続く江戸幕府による安定の時代を築いた人物として知られています。
三河の小大名松平家に生を受けた家康は、織田や今川や武田といった強力な大名が治める国に囲まれ苦難の道を歩みます。一向一揆が勃発するなど三河国内の統治に苦しみ、今川を倒し、武田を滅ぼして平穏を得るかとも思われたのも束の間、今度は盟約を結んだ織田信長が本能寺の変に倒れてしまい、後継者となった豊臣秀吉と覇権を争うことになります。
秀吉と和議を結んで臣従した後は、北条氏滅亡後の関東へとその居を移し、豊臣政権を支える重鎮として次第に頭角をあらわしてゆきます。そして秀吉の死後、関ヶ原合戦で石田三成らの率いる西軍に打ち勝ち、遂には大坂の陣で豊臣家を滅ぼしてようやく天下人となるのです。
この展覧会では、長く続いた戦国時代を終わらせ太平の世を作った徳川家康の足跡を、京都府が所蔵する関連資料の展示によって紹介してゆきます。